お金の知識

経営者のための資産防衛術

2026.02.14BY 白井 裕人7 min

経営者の資産は、サラリーマンや公務員のそれとは性質が大きく異なります。**最大の資産が「自社株」**であることが多く、つまり資産の大半が事業リスクに集中しています。

この前提を理解した上で、経営者は次の 3 つの軸で資産を設計する必要があります。

軸1:事業リスクの集中を分散する

自社株が資産の 80-90% を占める経営者は珍しくありません。事業が好調なうちは問題ありませんが、業界の構造変化やリーマン級のショックで、資産の大半が失われる可能性があります。

分散の手段として、経営者は次の選択肢を持っています。

どれも一長一短で、税務の設計がセットです。単独では動けません。

軸2:流動性を確保する

経営者の資産は、流動性の低いものに偏りがちです。自社株は売れない、不動産も簡単には現金化できない、保険も途中解約は損。

不測の事態(事業の急な資金需要、自身の健康問題、家族の事情など)に備えて、生活費の 2-3 年分を流動資産(預金・上場株・投資信託)で持っておくのが基本です。

軸3:世代を超えた設計

経営者の資産は、相続・事業承継という大きなイベントを避けて通れません。無策のまま相続が発生すると、相続税のために自社株を売却せざるを得ず、経営権を失うケースも実際にあります。

早い段階から次の検討が必要です。

これらは税制改正の影響を受けやすいため、毎年見直しが必要です。

資産配分の原則

上記 3 軸を踏まえた、経営者の資産配分のひとつの目安:

事業のリスクレベル、家族構成、年齢によって比率は変わりますが、この程度のバランス感覚を持って資産全体を見ることが重要です。

まとめ

経営者の資産防衛は、個人と法人、短期と長期、経営と相続を一体で考える必要があります。どれかひとつだけ最適化しても、全体としては歪みが残ります。

こうした長期の資産設計は、経営戦略・財務 サービスでも一緒に考えていくテーマのひとつです。

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