事業承継税制は、非上場会社の株式を後継者が承継する際に、一定要件を満たすと相続税・贈与税の納税が猶予・免除される制度です。親族内承継・役員承継を強力に後押しする政策として整備され、中小企業の事業承継を支える柱となっています。
制度の概要
- 一般措置: 2009 年創設、議決権株式の 3 分の 2 まで、納税猶予割合は相続税 80% / 贈与税 100%
- 特例措置: 2018 年創設、議決権株式の全株、納税猶予割合は相続税・贈与税ともに 100%
主な要件
- 会社要件: 中小企業であること、風俗営業でないこと など
- 経営者要件: 会社の代表者であったこと、筆頭株主であったこと など
- 後継者要件: 役員就任から一定期間経過、代表者就任 など
- 事業継続要件: 雇用維持(弾力化済み)、代表者継続 など
注意点
- 取消事由: 要件違反で一括納税義務が発生するリスク
- 複雑な手続き: 事前計画の提出、毎年の継続届出
- 適用期限: 特例措置は 2027 年 12 月 31 日までの贈与・相続が対象
- 出口戦略: 次々世代への承継または M&A までの長期視点が必要
実務上のポイント
事業承継税制は「制度を使えば最強」ですが、使い続けるための継続要件が厳しく、途中で要件を外すと猶予されていた税額の一括納付が発生します。税理士・弁護士と連携した長期計画の設計が前提となる制度です。