運転資本(Working Capital、ワーキングキャピタル)は、事業を日々運営するために必要な短期資金を指します。売上債権(売掛金・受取手形)と在庫に資金が固定され、買入債務(買掛金・支払手形)で調達される構造です。
計算式
- 運転資本 = 売上債権 + 棚卸資産 − 買入債務
- または:流動資産 − 流動負債(広義)
経営インパクト
運転資本が増えると:
- 売上が伸びるほど資金繰りが逼迫
- キャッシュフロー悪化
- 借入依存度の上昇
運転資本が減ると:
- 成長しながら資金余力が生まれる
- キャッシュフロー改善
- 企業価値向上
改善の典型アプローチ
- 売上債権: 回収サイトの短縮、前金制、ファクタリング
- 在庫: ジャストインタイム、SKU 削減、需要予測精度向上
- 買入債務: 支払サイトの適正化、サプライヤーとの交渉
実務上のポイント
M&A の価格交渉では ターゲット・ワーキングキャピタル が論点になります。「クロージング時にいくら残っているべきか」を合意し、そこからの差額で価格調整するのが定石です。運転資本は「静的な数字」ではなく「動的な経営判断」だと認識することが重要です。